『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』より
文藝春秋翻訳出版部2021/07/27
https://bunshun.jp/articles/-/47360
 ダーウィンの唱えた自然淘汰説や、ドーキンスの執筆した『利己的な遺伝子』など、近代は“性悪説”を前提としてきた。その暗い人間観に疑問を持ったのがオランダの歴史家、ルトガー・ブレグマンだ。ブレグマン氏の著書『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章上・下』をもとに、スタンフォード大の囚人実験の真実について紹介する。
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ショッキングな「スタンフォード監獄実験」
「普通の人間は、たやすく邪悪な存在に変わりうる」
 世の中に流布するこのような性悪説的な人間観を、長らく裏付けてきたエビデンスがある。1971年、米国スタンフォード大で行われた有名な心理学実験「スタンフォード監獄実験」だ。
 その内容はこうだ。普通の人々を集めて、被験者を看守役と囚人役に分ける。すると看守役は、囚人役に対して虐待を行うようになる。われわれ人間は、置かれた状況や役割によって、誰しも凶悪な行動を取ることができるのだ。
 実験から導き出される結論はあまりにショッキングで、なぜナチが悪を行ったかの説明根拠としても引用されているほどだ。
 だが、果たしてこれらは本当なのだろうか。
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