日本では働いても食べていくので精一杯という貧困家庭が増えているようだ。無理して家庭を持てば、そのしわ寄せが子どもにもいく。何年か前にはワーキング-プアという言葉をよく聞いた。アメリカではそれがずっと前から起こっていた。最近就任した大統領トランプ氏が、アメリカ第一主義といって強引なことやってるのも、アメリカ白人の誇りが零落していくのを許せなかったからだろう。移民たちで作り上げてきたアメリカが、いまや白人以外の新しい移民を排斥しかねない国となった。

まあそんな難しい話を考えていたんじゃない。アイロンだ。

以前見たアメリカのドキュメンタリー番組で、スラムのような建物に住む人たちが紹介されていた。がんばったって貧困からは抜けられない。がんばろうとしたってその場所もチャンスもない。生きていくだけで精一杯。・・・あ、また話が進まない。アイロンだった。あの衣類のしわを伸ばす道具。

ある家庭でコンロとは思えない小さな器具の上にフライパンを載せて調理していた。それを見た瞬間、これアイロンじゃないのかと思った。インタビューの字幕が出たので見ると やはりそうだった。もとはガスコンロを使っていたが、料金が払えなくて止められた。だからアイロンをさかさまに固定できるようにし、コンロ代わりに使っているという。いいアイデアだろうと言っていたような気がする。本当に発想が良い。

僕はアイロンを使うような生活をしていないから持っていないけれど、もしガスが使えず電熱コンロを買う金も無かったら、このアイデアはすばらしいと思った。何よりスタイルがカッコイイなと思って、新品でも2000円ほどであるアイロンを買ってみたい気もした。ところがネットショップで安い電熱コンロを探すと、1300円位からあるじゃないか。昔と比べれば、本当に何でも低価格になったものだ。これは安い賃金で働く人たちがいるからできる価格設定なんだろうな。

僕が知っている昭和のアイロンは全体が鉄の塊で、子どもの手にはすごく重かった。まず霧吹きで衣類を湿らせてからアイロンを当てる。しわが伸びて新品みたいになるのはちょっとした魔法だ。その前の時代では、鉄なべみたいなのに火をつけた炭を入れて熱していたらしい。何かで見たことはあるが使ったことはない。でもそのやり方で使えないかと、なべで少量のお湯を沸かし、そのなべ底をアイロン代わりにしてみたことがあった。これだと水の沸騰点以下の温度になるので、ほとんどしわは伸びなかったと思う。衣類の水分を蒸発させられない。何よりも使いづらいし危ないw

もともとアイロンという名称は、「鉄」という意味の「アイアン」をアイロンと聞き取った日本人が名づけたらしい。外国語をこうしてカタカナで書くこと自体少々無理がある。裁縫用のミシンもそんなものだ。機械という意味の「マシン」と呼ばれたのを日本人は「ミシン」と聞き取って、裁縫機械にその名をつけたらしいし。

僕が使っていたガスボンベ用のコンロはポケットに入るほど小さかったが、それでも買った当時は3000円から5000円近くしたと思う。少々高いとは思ったけれど、持ち運びが楽だし、いまはスーパーや100均ショップでも手軽に手に入るボンベが使えるので便利だった。灯油コンロやガソリンコンロを使うより安全で清潔だ。しかし、しょっちゅう使うと燃料代が高くつく。
(04/01修正)