昭和後期、「成功法則」系の出版が小さな流行となっていた。最初は洋書の翻訳が出て、それをまねた有象無象の国産本が出回ったように思う。若かった自分が何冊か買ってみて、いまだに記憶に残る書名は『成功哲学』。ナポレオン・ヒルの有名な著書だった。400ページほどあるその分厚い本の最後のあたりに、「第六感」という章がある。そこには、すでに亡くなった有名な故人を呼び出して(そのつもりで)会議を開く方法が書かれていたのが異色だった。

『成功哲学―やる気と自信がわいてくる』
ナポレオン・ヒル (著)  産業能率大学出版部 1977/11 発行
 
「幸福の科学」教組・大川隆法氏も、その後「成功法則」系の本を書いていた。既存の様々な同類書籍を読んで自分の意見としてまとめたのだろう。だが浅薄でつまらない内容だった。特色としては、成功法則・自己実現を語る本には、仙人系の著者が書いたものがあり、危険だという釘を刺していたことだったと思う。つまり自分の本の方が価値があるという自慢なわけだ。二番煎じ三番煎じにすぎないのに。
後年、隆法氏の「霊言」なるものが、このナポレオン・ヒルが思いついた手法によって再現できると気付いた。彼なら『成功哲学』を読んでいないはずがない。ナルホドと納得。ずいぶん昔の話だ。
故人となった著名な人たちの意見を述べる方法、その概要を自分なりにまとめて誰かに知らせたかったのだが、思考力がジャンジャン衰えて要約ができなかった。
その後すっかり忘れてしまい、本は捨てたがこの章だけ破って残していたので、コピーを次のスレッドに貼り付けておく。 
>> http://0w.blog.jp/archives/29560019.html
 

実は同じような内容が、これよりはるか以前に「巨富を築く13の条件」 (実業之日本社 1964年) という薄い新書で翻訳されていたような記憶があるんだが、今となっては不明。それと数年前に調べたら、現在の「成功哲学」新版は田中孝顕著と名をかえて、この章を省いてしまっていたような気がするが、どうだったかな? 今はさして興味がないので確認していない。
故人との会話は、昔から霊能者もどきが自己催眠・暗示にかかってそれらしいことを語っていたのと同じこと。ナポレオン・ヒルの発見は、これを霊とは無関係に活用できたことだ。
(一部修整)